昭和の小学生

 私の頃は、小学生はみんなランドセル🎒を使わないとダメ、みたいな雰囲気だった。そもそも、ランドセル以外の選択肢があるなんて、思いつかなかったし。

 色も、男の子は黒、女の子は赤。私立の学校だと女の子でも黒だから、当時は少し目立っていた。今は逆に黒いランドセルは私立の象徴で憧れる人がいるとかいないとか。色もバリエーション豊富で、登校景色はカラフルですよね(^ ^)

 ところが、高学年になると背が伸びて、ランドセルが背負えなくなり、自然とみんなランドセルを卒業し、手提げバッグ👜で登校するようになった。でも、学年で何人か卒業までランドセルで通ってる子もいたっけ。

 ある女の子は、背もそこそこ高く、すらっとしていて、ランドセル🎒を背負った姿は、違和感しかなかった。まるで大人がランドセルを背負ってるみたいだった。

 あの子はどんな気持ちで卒業までランドセルを使い続けていたんだろう。窮屈そうなのに、どうしてランドセルを使い続けるのか、なぜか訊けなかった。何故、私は質問出来なかったんだろう。

 今でもいるみたいだけど、当時は、結構な人数の男の子が半ズボンをはいていた。暑い時期はほぼ全員と言っても過言ではなかった。寒くなって来て、トップスは冬支度でも、相変わらずみんな半ズボンばかりはいていた。

 真冬になるとたま〜に長ズボンの男の子を見かけたけど、逆に悪目立ちしていた。何故か小学生らしく見えなくて(・・;)

 そういう子たちは、いわゆるいいとこの子ばかりで、はいている長ズボンが、デニムではなくて、パンタロンだったからかも。

 冬の寒い時期も半ズボンばかりの中で、トップスも半袖で過ごす強者がいた。学年でも有名なその子は、痩せていて、浅黒く、風邪もひかなかった。

 着ている半ズボンと半袖のシャツが、あまり清潔に見えなかったので、冬服を持ってないからそんな格好をしているのかなと、勝手に想像していた。

 ランドセルで卒業まで通っていた女の子も、手提げカバンを買ってもらえない家庭環境なのではと、私は頭のどこかで想像していたのかもしれない。

 私が子どもの頃は、公立小学校に通うご家庭の事情は多種多様だった。特に経済的な格差?格差というのはちょっと違うかな。

 経済的な格差、というと、裕福な層とそうでない層がいて、その差が大きい、という感じですよね。そうではなくて、裕福な層がいて、その下はグラデーションのようになっているんです。

 だから、特に小学校生活では、はっきりとした違いが分かりにくくて(⌒-⌒; )なんとなく少しずつ違うんだけど、クラス全体が集まるとなんだかぼやけるというか(-。-;

 たまに友達の家に行くと、突然経済的な差を突きつけられるんですよね。でも、まあ、そこは子どもだから、もしくは私がぼんやりした子だからか、凄〜い✨とは思うものの、引け目を感じることもなく、みんなで屈託なく盛り上がったもんです(^ ^)

 翻って現在ではどうなのかな。裕福ではないことを、恥ずかしく思う風潮があるような気がします。親だけでなく、子どもまで、裕福ではないことを隠す傾向があるように思えます。

 清貧、という言葉が好きなせいか、私は貧しいことは恥ずかしいことではないと思ってます。だから、見栄を張る必要も感じないから、そういう意味ではお気楽かな。

 でも、そんなのは欺瞞で、やっぱり貧しいことは恥ずかしいと思うこと、と心のどこかで思っているのかもしれません。

 理想は、お金があろうとなかろうと、考え方も態度も変えない、ですが、余裕が無くなっても変わらずいられるのか、ちょっぴりだけど不安もあります。

 なんてことを、下校中の小学生をぼんやり目にしながら、考えたりしてました。