清水の舞台から

 夏休みの思い出といえばみなさん、いろいろお持ちでしょう。私の場合、とりわけ印象深いのは高三の夏休みの思い出になります。

 当時、私が通う高校では、進学校でもないのに、夏休みに無料の夏期講習を開いてくれていました。

 多分、現代文や古文、英語、数学、日本史など、いろいろあったんじゃないかなぁ。私がどの科目を受講したのかは全然覚えてないんだけど。

 今ほどではないけど、それなりに暑い8月に、エアコンの無い教室で勉強していたはず。確か午前中いっぱい講習があった(と思う)ので、お弁当を持参していた(ような気がする)。友達とお弁当を食べて、午後は帰る人もいるけど、自習室で勉強する人もいたんじゃないかなぁ。

 当時、世界史選択だった私に、何故かとても目をかけてくれた日本史の先生がいらした。

 学校には職員室の他に、各教科ごとの部屋もあり、先生方はもっぱらそちらにいることが多かったように思う。例えば英語の先生に用事があると英語の教務室に行くんだけど、そこには学校中の英語の先生がずらっと座っていらっしゃるわけです。

 担当の英語の先生と話していると、他の先生方によく声をかけられた。

-その子が○○さん?、と。

 六年間の学生生活の間、たびたび職員会議の話題になっていた(らしい)私は、先生方の間でちょっとした有名人扱いだった(みたいです)。でも、なぜか先生方はみなさん好意的だった気がする。いや、好奇心だったのかな?

 みなさん、一様に

-へえ、この子が。 で止まる(^◇^;)

 中には2〜3質問してくる先生もいらしたけど。こちらは名前も知らない先生なのにね。

 閑話休題。なにかと目をかけてくれていた日本史の先生には、とても愛らしい、可愛いらしいお嬢さんがいらした。どういう経緯でそうなったのかは分からないけど、日本史の成績が優秀な生徒数人と娘さんと一緒に、なぜか学校のプールで遊ぶ?泳ぐことになりぬ。ここだけ古文、完了形(^^)

 いざプールサイドに立ってみて、驚愕(*_*) プ、プールの水が緑色❗️まさに、なんじゃこりゃあ( ゚д゚) 苔⁉️うギャァ、とてもじゃないけど、こんなところに飛び込める訳がない!自慢じゃないが、私は掃除は嫌いだけど、親のお陰で清潔な生活を送っているから、潔癖症なんです❗️

  プールの水質まで気が回らなかった(T . T)

 夏期講習の期間は部活動もなく、外にあるプールに真夏の太陽が燦々と降り注ぎ、苔やら藻やらにとって最高の繁殖環境になっていたのだ(T ^ T)

 こ、こ、この中に入るのか、私?

先生のお嬢さんだってこんなプールに入りたくなかろう、とふと横を見ると、楽しそうに待っている❗️

 小学生、恐るべし(°_°)

まあ、子どもにはこの状況がよく理解できないんだろう。友人たちは大丈夫だろう、きっと私と同じ気持ちの筈だ!

 しょうがないでしょう、しのごの言わず、泳ぐよ!

え、えー⁉︎マジか(゚o゚;;

黒板みたいな色のプールで泳ぐの?

抹茶羊羹みたいな色のプールに入るの?

 こうなったら、ヤケクソだあ!ええい、清水の舞台から飛び降りるさぁ!

 

 まあね、入ってしまえばねぇ。先生のお嬢さんが楽しそうにしてるおかげで、案外楽しかったんです(^ ^)

 後々先生からも、お嬢さんがあの夏のプールがとても楽しかったと、本当に喜んでいたと聞くたび、思い切ってプールに飛び込んで良かったと、心の底から思うのでした(^。^)