バレンタインの思い出
バレンタインというと、小学生の頃のある出来事を思い出す。
小学校5年生だったかな、6年生だったかな。バレンタインのその日、私は小学校にダッフルコートを着て行っていた。コート掛けなどない小学校だったので、教室の自分の座席の背にダッフルコートを掛けていた。今思うと、裾が床についていてよく汚れなかったものだ。気が付かないだけで、汚れていたのかも!
帰りの会が終わり、コートを着てショルダーバッグを肩にかけ(その頃はもうランドセルは使ってなかった)、いつものように友人と二人おしゃべりしながら家に向かっていた。
その時、何気なくポケットに手を入れた。寒かったのかもしれないし、手持ち無沙汰だったのかもしれない。
ん?何これ?
ポケットに何か入っているではないか!
ポケットから出してみると、それは小さな小さな板チョコだった。
友人に見せると友人もびっくりしている。
誰か他の男子と間違えたのかな?
ダッフルコートは一日中席に掛けていたからチャンスはいっぱいあった。
体育の時間とか、音楽の時間とか、教室が空になる授業は結構ある。
どうする?
私たちは相談の末、一緒に食べることにした。誰からのものか、しかも安全なものかどうかもわからないチョコレートを、良くもまあ食べたものだ。今だったら即処分だね。
チョコレートは、果たして美味しかった。ちなみにその日の夜も、翌日もお腹を壊したりすることもなかった。良かった。
帰り道でチョコレートを友人と食べた私だか、帰宅すると忙しかった。
仲の良い男子たちの家を回ってチョコレートを渡さなくてはならないからだ。
クラスの人気者や私に気がある男子など、お歳暮やお中元よろしく、なんちゃって手作りチョコレートを配って歩いた。
そう、私は女子なのにダッフルコートにチョコレートを入れられたのだ。
一番後ろの席だし、他の男子と間違えるとは考えづらい。机の横には赤いショルダーバッグが掛かっているからだ。
当時私はクラスの男子から結構モテていたので、きっとシャイな男子が私のコートのポケットに、逆チョコレートを忍ばせたんじゃないかな。そう今もかたく信じている(^^)