また勘違い?

私は海外旅行が好きだ。と言うと、あらさぞかしあちこち行ったんでしょうね、自慢ですか?なーんて思われるかもしれないが、あちこちなんてとんでもない、国で数えると片手で足りるんじゃないかなぁ。

 まあ、別にたくさん行ってなくても好きって言っていいでしょう?ディズニーランドに一度しか行ってなくても大好き!って言うの許されるんだから(^^)

 昔はインターネットなどなかったから、飛行機のチケットやホテルなんかは旅行代理店に頼むしかなかった。そうそう、カナダ人に教わって初めてHISの存在を知ったのもあの頃だったなぁ(遠い目)

 ハワイやロサンゼルス、グアムに行ってた頃は(あ、全てアメリカだわ)、平和なことに、人種差別を感じることはなかったんだよね。まあ、私がぼんやりしてたせいかもしれないけど。皆さんとても親切でフレンドリーだったなぁ。

 そういえば、マジックマウンテンという遊園地で絶叫マシンに並んでる時、近くの男の子たちにからかわれたっけ。早口な英語だったから何を言われてるのかわからなくて、でも嫌な感じがしたので地元の友人に訳してもらうと、女子数人で騒いでいるから怖がっていると思われてからかわれたんだよって。確かに日本語で盛り上がってました、楽しくてだけど(^_−)−☆

 

 初めてイタリアに行った時は、友人と二人で行ったのに、友人の希望で昼間は完全別行動だった。後で知ったんだけど、友人は元恋人(と友人が思い込んでる)イタリア人の少年に会うつもりだったようだ。どうやら恋人と思っていたのは私の友人だけで、住所もデタラメで、結局会えなかったということを別の友人から後日知らされた。どうりであの時友人は機嫌が悪かったわけだ(-。-;

 そんなわけで、私は一言もイタリア語がわからないのに、ガイドブック片手に一人でローマの街をウロウロ観光し、英語が全く通じないのに、なんとかお買い物も楽しんでいた(^^)v

 トレヴィの泉の近くのテイクアウトのピザ屋さんでピザを買ったりもした。ハンサムで調子の良い店員さんからお釣りを受けとった時、なんだか違和感を感じた。

 

ん?お釣り、違ってない?

もしかして、誤魔化された?

これだからイタリアは油断ならない。

 

私はものすごい剣幕で、お釣りが少ないんじゃないか、とニコニコしている店員のお兄さんに詰め寄った。その店は美味しいらしくて地元のローマっ子(と思われる人たち)で混んでいた。私の後ろにも大勢待っている人がいたが、そんなことは気にしてられない。イタリア語がわからない東洋人だからと舐めてもらっちゃ困る、とばかりに詰め寄った。

 

焦ったお兄さんは何か一生懸命説明してるが、私には全然伝わらない。怒ったままの私をみてますます焦ったお兄さんは、とうとう並んでいる他のお客さんたちに助けを求め始めた。

 果たして、お釣りは確かに違っていた。多かったのだ。それは計算間違いなんかじゃなくて、お兄さんがおまけしてくれていたのだ。本当に?疑り深い私の様子に周りの人達が、君が可愛いからおまけしてくれたんだよって。あら、まあ。急に笑顔になるのも気まずくて、半信半疑の表情でありがとうを言ってお店を後にした。

 

 別の日に友人とディナーに行こうと予約していたお店に向かっていた時のことだ。地元の人気店だが少しわかりにくく、迷ってしまったのだか、イタリア語が分かる友人が、丁度通りかかった女の子に道を聞いてくれた。

 その答えががどう考えてもおかしいのだ。そんなところにお店なんてあるはずないところを教えてくれたというのだ。さすがに心配になり、もう一度別の人に聞いてもらうと、さっきとは全然別の方向を教えてられたらしい。

 

ん?友人のイタリア語、大丈夫か?

 

不安に思った私は年配の身なりの良さそうな人に恐る恐る英語で聞いてみた。良かった!英語が通じる!

 お店の方向は合っていて、もう少し先の細い道を曲がるとあるとのこと。人気店で並んでいる人がいるからすぐ分かるらしい。

 無事に辿り着けたレストランで食事しながら、私たちはさっきの出来事を思い返していた。最初の二組はなんであんな嘘をついたのか。東洋人2人に話しかけられ不愉快になったのか。それともからかってやろうと思ったのか。あれも人種差別だったのかなぁと少し憂鬱な気分になっていた。

 後日わかったのだか、イタリア人はとても気のいい人たちで、何かモノを聞かれると例え知らなくても答えてしまうらしい。あの時ローマの街中でデタラメを教えてくれた二組の若者たちは、だから人種差別とかではなくて、イタリア人らしい振る舞いをしていただけだった。

 私の勘違いがなければ、ピザやのハンサムな店員さんと仲良くなれていたかも知れないと思うと残念な気持ちになったりするかというとそんなことは全然ない。怖がりで警戒心が強い私は、おまけ?何か下心でもあるんじゃないか、イタリア人は油断ならないとますます疑心暗鬼になっていただろう。