怖くて仕方ない
電車に乗るのが怖くて仕方ない。
ここ最近の話では、ない。
確かにマスクしてない人が同じ車両に乗ってきたり、まして向かい側に座られると移動するけど。そういうのは電車に限ったことではない。歩いていてもマスクしてない人とすれ違う時、ん?とか思って一瞬息を止めたりするし。外食する時も席の間隔、仕切りの有無、隣席の客の様子によっては、席を変えてもらったり、場合によってはお店を変えたりするから。
電車に乗るのが怖くなったのは、誰もマスクなど必要なかった頃のこと。
電車に乗っていると突然怒号が!
え?何?
座っているおじさんがいきなり隣の若い子に怒鳴り始めた。
さっきから邪魔なんだよ!
膝の上でノートPCを広げている男性が、肘を張れなくて作業しにくい為に、隣の女性に文句を言ったのだ!
確かに席は混んでいて隣とくっついてるけど、それはお互い様で、その女性は普通に座っているだけなのに。
大丈夫かな?助け舟出そうかな?
迷っていたその時、
うるせーんだよー、お前の方が邪魔なんだよ!
その若い女性だった。
おお!負けてない!むしろ勝ってる!
男性は予期せぬ反撃に絶句し、ムッとしたまま黙り込んだ。
私はホッと胸を撫で下ろした。
ある時は電車に揺られてうとうとしていると、何やら賑やかな声が。
ふと目を開けると、ヤンチャな感じの若者が電車内でしゃがみ込んで盛り上がっている。
あ、ベビーカーのお母さんが心配そうな顔で乗って来る!大丈夫かな?通れるかな?揉めるかな?
おぉ、俺ら邪魔だぞ。
その一言でみんな立ち上がって、その親子や他の乗客が通りやすいように移動した。
良かったぁ、いい子たちで。
そう、電車内で何かトラブルが起きそうなとき、私はドキドキする。
トラブルを目にするのも嫌だけど、トラブルに巻き込まれて困っている人を見て見ぬふりできないからだ。
こんなご時世、下手に関わったら下手をしたら怪我では済まない、そんなことはよく分かっている。でも、見て見ぬふりなんてしたら、そのストレスに耐えられないのだ。正義感なんかじゃない、自分勝手な理由なのだ。
今度は泥酔してる男性が乗って来た!
怪しい呂律で何か言ってる、、、
周りの人達の緊張が伝わってくる。
どうか何事も起こりませんように。
あぁ、電車に乗るのが怖くて仕方ない。