あぁ、勘違い(ノ_<)

今でこそ、変な意地を張ってもいいことはないから、それはそれこれはこれで、みたいに切り離して生きた方がいいよ、じゃないと思わぬ損をするから、なんて偉そうにもっともらしいことを子どもに言っているが、これは実体験からくる教訓だったりする。

 小さいときの私は好き嫌いがはっきりしていて(今もかも(⌒-⌒; )、好きな人のことは盲目的に信じてしまい、例え何か良からぬ言動をしても、きっと何か事情があるに違いない、と勝手に考えたりして、とにかく好きな人は正しいと思い込んでいた。

一方、好きじゃない人の場合はどうかというと、好きな人に対するそれの真逆だった。良からぬことをすれば、やっぱりそういう人だと思っていた、とか、例え良いことをしても、きっと何か裏があるに違いない、私は騙されないぞ、卑怯者め、と頑なに否定していた、心の中で。

 

親戚の家に集まって、従姉妹たちと遊んでいた時、綺麗で美味しそうなケーキが出てきた。普段見ているショートケーキやチーズケーキなんかとは全然違って、それは真っ白でシルバーの飾りが散りばめられていてとても豪華なものだった。

子どもたちはみんな大喜びで盛り上がり、わーわー言いながら切り分けてもらい、喜んで食べていた。

でも、私は断ったのだ。ケーキが嫌いだったわけではない。むしろ甘い物は大好きだった。見たこともない豪華なケーキに私だってワクワクしていたのに。美味しそうに食べている従姉妹たちを見て喉を鳴らしていたのに。でも、私は引き立った顔で断ったのだ。

 実はそのケーキを切り分けてくれていた叔母を、当時私はあまりよく思っていなかったのだ。私が何か言われたりされたわけではなく、むしろとても親切にされていたのに、大人たちがその叔母の噂話をしている様子を見て、叔母があまり良い人ではないと思い込んでしまっていたのだ。

 その叔母が買ってきたケーキなんか食べてたまるか。みんなあっさり食べちゃって!私だけは騙されないからね。ということで、そのケーキは私以外の子どもたちのお腹に消えたのだ。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いというわけだ。

 ところがそのケーキは叔母が用意したものではなかったのだ!しかも、私の大好きな従兄弟のお兄さんがバイト代から買って来てくれたのだった。

さすが大好きな従兄弟、ケーキのセンスまで抜群だわ!なんて勝手に誇らしげに思うと同時に、しまった!私はなんてことをしてしまったのだ。せっかくお兄さんが買ってきてくれたのに(T . T)私のバカばかバカ( ;  ; )

 私がケーキを食べてないのがバレたら、優しいお兄さんはきっと傷つくに違いない。お兄さんにケーキの感想を聞かれた私は、はい、とても美味しかった、ありがとう!と答えましたよ、もちろん。